平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6
テクノロジ/システム構成要素コンピュータの性能評価には,シミュレーションを用いた方法や解析的な方法などがある。シミュレーションを用いた方法の特徴はどれか。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問6
- ア解析的な方法よりも計算量が少なく,効率的に解が求まる。
- イ解析的な方法よりも,乱数を用いることで高精度の解が得られる。
- ウ解析的に解が求められないモデルに対しても,数値的に解が求まる。
- エ解析的に解が求められるモデルの検証には使用できない。
正解:ウ
解説
コンピュータの性能評価には,実際に模擬モデルを動作させて挙動を観測するシミュレーションを用いた方法と,数学的なモデル(待ち行列理論など)を用いて理論的に解を導出する解析的な方法があります。解析的な方法は,モデルが数学的に扱いやすい単純な条件下でしか厳密解を求められないのに対し,シミュレーションを用いた方法は,複雑な条件や解析的には解が求められない(クローズドフォームの解が存在しない)モデルに対しても,多数回の試行を繰り返す数値計算によって近似的な解を求めることができるという特徴があります。
選択肢ごとの解説
- ア誤り。シミュレーションを用いた方法は,多数回の試行を繰り返して統計的に解を求めるため,一般に解析的な方法よりも計算量は多くなる傾向があり,効率的に解が求まるとはいえません。
- イ誤り。シミュレーションでは乱数を用いて多数回の試行を行いますが,得られる解は統計的な近似解(誤差を伴う)であり,解析的な方法よりも高精度の解が得られるとは限りません。
- ウ正しい。シミュレーションを用いた方法は,複雑な条件や解析的に厳密解が求められないモデルに対しても,モデルの挙動を模擬して繰り返し試行することによって,数値的に近似解を求めることができます。
- エ誤り。シミュレーションを用いた方法は,解析的に解が求められるモデルに対しても適用でき,解析的な方法で得られた結果の妥当性を検証する(クロスチェックする)用途にも使用できます。