平成27年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16
テクノロジ/ハードウェア図に示す反転増幅器の電圧ゲインはどれか。ここで,図の演算増幅器は理想的な演算増幅器とする。

出典:平成27年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16
- ア-(1+R1/R3)
- イ-(1+R2/R1)
- ウ-R2/(R1+R3)
- エ-R2/R1
正解:エ
解説
図の回路は,演算増幅器の+入力を抵抗R3を介して接地し,-入力に入力信号をR1を通して与え,出力から R2 を介して-入力へ帰還をかけた反転増幅器(負帰還増幅回路)です。理想的な演算増幅器では,+入力と-入力の電位差が0(イマジナリショート)であり,かつ入力端子に電流が流れ込まないと仮定できます。+入力はR3を介して接地されているため電流が流れず電位は0Vであり,イマジナリショートにより-入力の電位も0Vになります。このとき,R1に流れる電流は入力電圧をVinとすると Vin/R1 であり,-入力には電流が流れ込まないため,この電流はそのままR2を通って出力側へ流れます。したがって出力電圧Voutは,Vout=-(Vin/R1)×R2となり,電圧ゲイン(Vout/Vin)は-R2/R1で表されます。R3は,入力バイアス電流による誤差を打ち消すための抵抗であり,理想的な演算増幅器を仮定した場合のゲインの値には影響しません。
選択肢ごとの解説
- ア誤り。-(1+R1/R3)という式は,非反転増幅器のゲインの形(1+帰還抵抗/入力抵抗)にR3を組み合わせたような式であり,本回路(反転増幅器)のゲインの導出結果とは一致しません。
- イ誤り。-(1+R2/R1)は,非反転増幅器のゲインの式に類似した形であり,イマジナリショートとキルヒホッフの電流則から導かれる反転増幅器のゲイン(-R2/R1)とは異なります。
- ウ誤り。-R2/(R1+R3)は,R3がゲインに影響するかのような式ですが,理想的な演算増幅器では+入力に電流が流れないためR3による電圧降下はなく,ゲインの式にR3は現れません。
- エ正しい。理想的な演算増幅器を仮定すると,イマジナリショートと入力電流0の条件から,出力電圧はVout=-(R2/R1)×Vinとなり,電圧ゲインは-R2/R1で表されます。