平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14
テクノロジ/ハードウェアマイクロプロセッサの耐タンパ性を向上させる手法として,適切なものはどれか。
出典:平成29年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問14
- アESD(Electrostatic Discharge)に対する耐性を強化する。
- イチップ検査終了後に検査用パッドを残しておく。
- ウチップ内部を物理的に解析しようとすると,内部回路が破壊されるようにする。
- エ内部メモリの物理アドレスを整然と配置する。
正解:ウ
解説
耐タンパ性とは,ICチップなどのハードウェアの内部構造や内部に保持している秘密情報(暗号鍵など)を,外部から物理的に解析・改ざんされにくくする性質のことです。マイクロプロセッサの耐タンパ性を高める代表的な手法として,チップの表面を研磨したりプローブを当てたりするなどしてチップ内部を物理的に解析しようとする行為があった場合に,内部の保護回路が反応して内部の重要な回路や記憶しているデータ(鍵情報など)を自動的に破壊・消去する仕組みを組み込む方法があります。
選択肢ごとの解説
- ア誤り。ESD(静電気放電)に対する耐性の強化は,静電気による回路の物理的破損を防ぐための一般的な電子部品の信頼性対策であり,物理的な解析・改ざんに対する耐タンパ性を高める手法とは異なります。
- イ誤り。チップ検査終了後に検査用パッド(テスト用の端子)を残しておくと,そこから内部信号にアクセスして解析されるおそれが高まるため,耐タンパ性を向上させる手法とは逆の対策になります。
- ウ正しい。チップ内部を物理的に解析しようとする行為(研磨やプロービングなど)を検知したときに内部回路が破壊されるようにする仕組みは,内部の秘密情報の解析を困難にするものであり,耐タンパ性を向上させる代表的な手法です。
- エ誤り。内部メモリの物理アドレスを整然と配置することは,むしろ内部の記憶内容の構造を解析者に推測されやすくする可能性があり,耐タンパ性を向上させる手法ではありません。