平成27年度 春期 ITパスポート試験 問90
マネジメント/プロジェクトマネジメント【中問B(問89〜92の共通文章)】 製品の改良プロジェクトに関する次の記述を読んで,四つの問いに答えよ。 工作機械メーカの X 社は,競合メーカとの差別化を目的として,現在製造している製品 Z の改良を決め,製品 Z の改良プロジェクト(以下,Z プロジェクトという)を発足した。製品開発課に勤務する A さんは Z プロジェクトのメンバに選ばれ,先輩の B さんから Z プロジェクトの状況,及び Z プロジェクトのリスク(以下,リスクという)に関する説明を受けた。 〔Z プロジェクトの状況〕 (1) 過去に行った同一規模のプロジェクトと比べて,プロジェクトメンバは同数だが,期間は半分で計画している。 (2) 改良する機能の取りまとめ作業は,製品企画課が担当し,完了している。 (3) 現行の製品 Z の部品や組み込まれているソフトウェアは,できるだけ流用することにした。流用対象の抽出は終了している。 (4) 新たに開発する部品は,現行の製品 Z を開発したメンバが担当する。 (5) 新たに開発するソフトウェアは,開発経験の浅いメンバが担当する。 〔リスクに関する説明〕 (1) リスクとは,プロジェクトを遂行するときに発生する,納期,費用,品質に影響を与える様々な事象のことである。 (2) リスクが発生する確率や影響の大きさはプロジェクトごとに異なり,それらは遂行過程で変化する。 A さんは〔Z プロジェクトの状況〕の(5)に,影響の大きなリスクが存在するので,試作機の品質試験に間に合わせるために,特にスケジュール管理が重要であると考え,B さんに相談した。そこで,ソフトウェアを開発するメンバから図 1 に示すアローダイアグラムを提出してもらった。しかし,開発スケジュールが遅れた場合のリスクが考慮されていないことに気付き,何らかの対策が必要と考えた。 【設問】A さんは,〔Z プロジェクトの状況〕の(5)が,プロジェクトが失敗する原因になりかねないと考え,開発に先立ち,その予防策を講じることにした。予防策の一つとして,適切なものはどれか。

出典:平成27年度 春期 ITパスポート試験 問90
- ア過去に行ったプロジェクトのスケジュールを参考にして,今回の Z プロジェクトのスケジュールを作成する。
- イ現行製品から流用できるソフトウェアの設計書を集める。
- ウ製品 Z の改良後の機能と競合メーカの類似製品の機能を比較したリストを作成する。
- エソフトウェア開発メンバに対して,不足しているソフトウェア開発技術を教育する。
正解:エ
解説
〔Z プロジェクトの状況〕の(5)は,新しく開発するソフトウェアを,開発経験の浅いメンバが担当するという状況です。予防策として,メンバに不足している開発技術を教育すれば,経験不足によるスケジュール遅延や品質低下のリスクを下げられます。他の選択肢は(5)の経験不足の対策になりません。
選択肢ごとの解説
- ア誤り。過去のスケジュールの参考は計画の精度向上に役立ちますが,メンバの経験不足への予防策とはいえません。
- イ誤り。流用対象の抽出は終了しており,設計書を集めても経験不足は解消されません。
- ウ誤り。競合製品との機能比較は,改良する機能の取りまとめ(完了済み)に関するもので,(5)への予防策になりません。
- エ正しい。不足している技術を教育して,経験の浅いメンバの能力を補うのが,適切な予防策です。