応用情報技術者試験 午前|データベースの要点と過去問
テクノロジ/データベースデータベース分野は、関係データベースの設計(正規化・E-R図)、SQL、トランザクション処理と障害回復を中心に問います。SQLの文を読んで結果を答える問題と、トランザクションの性質を問う問題は毎回のように出ます。
出題傾向
応用情報技術者試験午前の過去33回分(平成21年度〜令和7年度)を集計した結果です。
167問33回の合計
5.1問1回あたりの平均
6.3%全2,640問に占める割合
7問最多の回(平成23年度 秋期)
直近10回の平均は4.8問、それ以前の23回の平均は5.2問です。出題数はほぼ横ばいで、この分野は毎回安定して出題されています。
| 実施回 | この分野の出題数 |
|---|---|
| 令和7年度 秋期 | 4問 |
| 令和7年度 春期 | 5問 |
| 令和6年度 秋期 | 5問 |
| 令和6年度 春期 | 5問 |
| 令和5年度 秋期 | 5問 |
| 令和5年度 春期 | 5問 |
| 令和4年度 秋期 | 5問 |
| 令和4年度 春期 | 5問 |
| 令和3年度 秋期 | 5問 |
| 令和3年度 春期 | 4問 |
直近10回分を表示しています。
押さえておきたいテーマ
- データモデルとE-R図
- 実体(エンティティ)と関連(リレーションシップ)を図で表すのがE-R図で、1対1・1対多・多対多といった関連の多重度を読み取れるようにします。関係データベースは、表(テーブル)で情報を管理します。UMLのクラス図などの表記もあわせて問われます。
- 正規化
- データの重複や更新時の矛盾を防ぐために表を分解する作業です。第1正規形は繰返し項目を排除し、第2正規形は主キーの一部だけに従属する項目(部分関数従属)を分離し、第3正規形は主キー以外の項目に従属する項目(推移的関数従属)を分離します。
- 関係代数
- 表から特定の行を取り出す選択、特定の列を取り出す射影、複数の表を結び付ける結合が基本の演算です。集合演算として和・差・積(直積)も使われ、SQL文との対応関係を理解しておきます。
- SQL
- SELECT文の基本形(SELECT ... FROM ... WHERE ...)に加えて、GROUP BYによる集計、HAVINGによる集計結果の絞込み、副問合せ、表の結合(内部結合・外部結合)が問われます。NULLは値が不明であることを示し、比較演算は真にも偽にもならず、IS NULLで判定する点が頻出のひっかけです。
- 整合性制約
- 主キーは行を一意に識別する列で、NULLや重複を許しません。外部キーは他の表の主キーを参照する列で、存在しない値を登録できないようにする参照制約を課します。親の行を削除・更新したときの子の扱い(拒否・連鎖削除など)も問われます。
- トランザクションとACID特性
- トランザクションは、一連の処理をひとまとまりとして扱う単位です。原子性(全部行うか全く行わない)、一貫性(整合した状態を保つ)、独立性(同時実行しても互いに影響しない)、耐久性(コミット後は障害があっても失われない)の4つの性質をACID特性と呼びます。
- 排他制御と障害回復
- 同時に更新するデータの競合を防ぐために共有ロックと専有ロックを使い、互いのロック解放を待つ状態をデッドロックと呼びます。障害回復では、更新履歴(ログ)を使い、障害前の状態に戻すロールバック、チェックポイント以降の更新をログから再実行するロールフォワードを使い分けます。
- インデックスと性能
- インデックスは、検索を速くするための索引で、B木などのデータ構造が使われます。検索は速くなる一方、更新時には索引の更新も必要になるため、更新が多い表では負荷が増えます。
学習のコツ
- SQLの問題は、実際に表を書き出して、条件に合う行を選び、集計するという順に手作業で追うと確実です。副問合せは内側から先に評価します。
- 正規化は、なぜ表を分けるのか(重複と更新時の不整合を防ぐため)という目的から理解すると、第何正規形かを判断する問題に応用がききます。
- トランザクション関連は、ACIDの4つとロールバック・ロールフォワードの使い分けをセットで覚えると、用語問題と障害回復問題の両方に対応できます。
データベースの過去問一覧(全167問)
実施回ごとに、この分野の問題を新しい回から並べています。各問に解説と選択肢ごとの解説がついています。
令和7年度 秋期4問
令和7年度 春期5問
令和6年度 秋期5問
令和6年度 春期5問
令和5年度 秋期5問
令和5年度 春期5問
令和4年度 秋期5問
令和4年度 春期5問
令和3年度 秋期5問
令和3年度 春期4問
令和2年度 10月5問
令和元年度 秋期5問
平成31年度 春期5問
平成30年度 秋期4問
平成30年度 春期5問
平成29年度 秋期5問
平成29年度 春期5問
平成28年度 秋期5問
平成28年度 春期5問
- 問27関数従属を次のように表記するとき,属性a~eで構成される関係を第3正規形にしたものはどれか。 〔関数従属〕 (1) 属…
- 問28トランザクションA(処理A1→処理A2の順に実行する)とトランザクションB(処理B1→処理B2の順に実行する)が,デー…
- 問29次の表において,“在庫”表の製品番号に定義された参照制約によって拒否される可能性がある操作はどれか。ここで,実線の下線…
- 問30媒体障害の回復において,最新のデータベースのバックアップをリストアした後に,トランザクションログを用いて行う操作はどれ…
- 問31顧客,商品,注文,販売店という四つのテーブルをスタースキーマでモデル化した場合,ファクトテーブルとなるものはどれか。
平成27年度 秋期4問
平成27年度 春期5問
平成26年度 秋期5問
平成26年度 春期6問
- 問25SQL文においてFOREIGN KEYとREFERENCESを用いて指定する制約はどれか。
- 問26UMLを用いて表した部門と社員の関係を表すデータモデルの説明のうち,適切なものはどれか。 〔クラス図〕 部門(多重度1…
- 問27次の表はどこまで正規化されたものか。 従業員番号:氏名:入社年:職位:職位手当 12345:情報 太郎:1981:部長…
- 問28“東京在庫”表と“大阪在庫”表に対して,SQL文を実行して得られる結果はどれか。ここで,実線の下線は主キーを表す。 東…
- 問29分散データベースにおいて図のようなコマンドシーケンスがあった。調停者がシーケンスaで発行したコマンドはどれか。ここで,…
- 問30トランザクションの原子性(atomicity)の説明として,適切なものはどれか。
平成25年度 秋期6問
- 問27クライアントサーバシステムにおけるストアドプロシージャに関する記述のうち,誤っているものはどれか。
- 問28RDBMSのコストベースのオプティマイザの機能の説明として,適切なものはどれか。
- 問29関係を第2正規形から第3正規形に変換する手順はどれか。
- 問30関係Rと関係Sに対して,関係Xを求める関係演算はどれか。 関係R(ID,A,B):0001,a,100/0002,b,…
- 問31地域別に分かれている同じ構造の三つの商品表,“東京商品”,“名古屋商品”,“大阪商品”がある。次のSQL文と同等の結果…
- 問45E-R図の解釈として,適切なものはどれか。ここで,**は多対多の関連を表し,自己参照は除くものとする。
平成25年度 春期5問
- 問27クライアントサーバシステムにおいて,クライアント側からストアドプロシージャを利用したときの利点として,適切なものはどれ…
- 問28“プログラマは全て社員であり,社員の約10%を占める。社員は社員番号と氏名をもち,職種がプログラマである場合は,使用で…
- 問29埋込みSQLにおいて,問合せによって得られた導出表を1行ずつ親プログラムに引き渡す操作がある。この操作と関係の深い字句…
- 問30A表は外部キーによってB表から参照されている。ここで,A表の行を削除するとき,それを参照しているB表の行を同時に全て削…
- 問31トランザクションの同時実行制御に用いられるロックの動作に関する記述のうち,適切なものはどれか。
平成24年度 秋期5問
平成24年度 春期6問
- 問26販売価格が決められていない"商品"表に,次のSQL文を実行して販売価格を設定する。このとき,販売ランクがbの商品の販売…
- 問27第1,第2,第3正規形とそれらの特徴a〜cの組合せとして,適切なものはどれか。 a:どの非キー属性も,主キーの真部分集…
- 問28関係データベース管理システム(RDBMS)の表へのアクセスにおいて,特定の利用者だけにアクセス権を与える方法として,適…
- 問29関係データベースの表定義において,列の値の重複を禁止するために指定する字句はどれか。
- 問30トランザクションが,データベースに対する更新処理を完全に行うか,全く処理しなかったかのように取り消すか,のいずれかを保…
- 問31DBMSの媒体障害時の回復法はどれか。
平成23年度 秋期7問
- 問27自然言語の解析などのために,文学作品,会話,新聞記事などの大量の文章を蓄積したテキストデータベースはどれか。なお,生の…
- 問28表の所有者が,SQL 文の GRANT を用いて設定するアクセス権限の説明として,適切なものはどれか。
- 問29価格設定年月日に NULL を含む“商品”表に対して,次の問合せを行った。この検索結果の行数は幾つか。 SELECT …
- 問30更新可能なビューを作成する SQL 文はどれか。ここで,SQL 文中に現れる表は全て更新可能とする。
- 問31導出表を説明したものはどれか。
- 問32“部品”表のメーカコード列に対し,B+木インデックスを作成した。これによって,検索の性能改善が最も期待できる操作はどれ…
- 問33元のデータベースと同じ内容の複製データベースをあらかじめ用意しておき,元のデータベースの更新に対し,非同期にその内容を…
平成23年度 特別6問
- 問28“社員扶養家族”表の列“社員番号”の値が“社員”表の候補キーに存在しなければならないという制約はどれか。
- 問29関係データベースにおいて,表の中から特定の列だけを取り出す操作はどれか。
- 問30“社員”表と“人事異動”表から社員ごとの勤務成績の平均を求める適切なSQL文はどれか。ここで,求める項目は,社員コード…
- 問31関係データベースのインデックスに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 問32トランザクションの原子性(atomicity)の説明として,適切なものはどれか。
- 問33データベースにデータの追加,削除などが多数回繰り返されて,データベース全体のアクセス効率が低下したときに,データベース…
平成22年度 秋期5問
平成22年度 春期6問
- 問29顧客は一般に複数の銀行に預金するものとして,顧客と銀行の関連を,E-R図で次のように表現する。このモデルを関係データベ…
- 問30インデックス方式のうち,キー値を基に算出して格納位置を求めるとき,異なったキー値でも同一の算出結果となる可能性があるも…
- 問31データの正規化に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 問32“受注明細”表は,どのレベルまでの正規形の条件を満足しているか。ここで,受注番号と明細番号の組は主キーである。 受注明…
- 問33表Aから実行結果Bを得るためのSQL文はどれか。 表A(社員コード,名前,部署コード,給料) 10010,伊藤幸子,1…
- 問34DBMSのロールフォワードを説明したものはどれか。
平成21年度 秋期4問
平成21年度 春期5問
- 問27A社では,優良顧客について調査することになった。優良顧客は,最近の購入実績があり,かつ購入金額の多い顧客とする。優良顧…
- 問31クライアントサーバシステムにおけるストアドプロシージャに関する記述のうち,誤っているものはどれか。
- 問32次の概念データモデルの解釈として,適切なものはどれか。ここで,モデルの記法としてUMLを用いる。 [部署]←(所属する…
- 問33分散データベースにおいて図のようなコマンドシーケンスがあった。調停者がシーケンスaで発行したコマンドはどれか。ここで,…
- 問34関係データベースの"注文"表又は"商品"表の行を削除する場合,"注文明細"表に対する操作として,適切な組合せはどれか。…