応用情報技術者試験 午前|基礎理論の要点と過去問
テクノロジ/基礎理論基礎理論は、2進数や論理演算、確率・統計、待ち行列、形式言語など、情報処理の土台になる数学的な知識を問う分野です。計算で答えが決まる問題が多く、手を動かして解く練習がそのまま得点につながります。
出題傾向
応用情報技術者試験午前の過去33回分(平成21年度〜令和7年度)を集計した結果です。
136問33回の合計
4.1問1回あたりの平均
5.2%全2,640問に占める割合
6問最多の回(令和2年度 10月)
直近10回の平均は3.6問、それ以前の23回の平均は4.3問です。近年は出題数がやや減る傾向にあります。
| 実施回 | この分野の出題数 |
|---|---|
| 令和7年度 秋期 | 4問 |
| 令和7年度 春期 | 2問 |
| 令和6年度 秋期 | 3問 |
| 令和6年度 春期 | 4問 |
| 令和5年度 秋期 | 4問 |
| 令和5年度 春期 | 3問 |
| 令和4年度 秋期 | 5問 |
| 令和4年度 春期 | 4問 |
| 令和3年度 秋期 | 4問 |
| 令和3年度 春期 | 3問 |
直近10回分を表示しています。
押さえておきたいテーマ
- 論理演算と集合
- AND(論理積)、OR(論理和)、XOR(排他的論理和)、NOT(否定)の真理値表を確実に押さえます。ド・モルガンの法則(¬(A∧B)=¬A∨¬B、¬(A∨B)=¬A∧¬B)や、ベン図・カルノー図による論理式の簡単化がよく出ます。集合の和集合・積集合・補集合も論理演算と対応づけて理解します。
- 2進数・基数変換・補数
- 2進数と10進数・16進数の変換は基本です。負の整数は2の補数で表すのが一般的で、nビットの2の補数表現で表せる範囲は −2^(n−1) 〜 2^(n−1)−1 です。左シフトは2倍、右シフトは2で割る操作に対応します。
- 数値表現と誤差
- 固定小数点と浮動小数点の違いを押さえます。浮動小数点数の計算では、絶対値の大きく違う数を足すと小さい方が無視される「情報落ち」、ほぼ等しい数を引くと有効桁が減る「桁落ち」、桁数の制限による「丸め誤差」が生じます。
- 誤り検出・訂正
- パリティビットは1ビットの誤りを検出できますが訂正はできません。ハミング符号は検査ビットを組み合わせて1ビットの誤りを訂正できます。CRCは多項式による除算の余りを付加し、通信路上のバースト誤りの検出に使われます。
- 待ち行列理論
- M/M/1モデルは、到着間隔・サービス時間がともに指数分布で、窓口が1つの待ち行列です。利用率 ρ が1に近づくほど待ち時間は急激に長くなり、平均待ち時間は「ρ/(1−ρ)×平均サービス時間」で表されます。式の形と、利用率の変化に対する待ち時間の変化を押さえておきます。
- 確率・統計
- 期待値、条件付き確率、正規分布に加え、ポアソン分布(一定時間に稀な事象が起きる回数)や指数分布(事象の発生間隔)の使い分けが問われます。稼働率や信頼性の計算にも同じ考え方を使います。
- 形式言語と文法
- BNFは構文規則を記述する表記法で、規則から導ける文字列かどうかを判定する問題が出ます。正規表現や有限オートマトン、式を後ろに演算子を置いて表す逆ポーランド記法(スタックで評価する)もあわせて学びます。
- AI・機械学習
- 教師あり学習・教師なし学習・強化学習の違い、ディープラーニング(多層のニューラルネットワーク)の位置づけ、分類モデルの評価に使う適合率・再現率・混同行列などが問われます。近年の出題では用語の意味を正しく区別できるかが中心です。
学習のコツ
- 論理式や2進数の問題は、選択肢を眺めるよりも、具体的な値を代入して真偽を確かめる方が確実で早く解けます。
- 待ち行列や確率の問題は公式を丸暗記せず、「利用率が上がると待ち時間がどう変わるか」といった性質を言葉で説明できるようにしておくと、選択肢を絞れます。
- 計算問題が多い分野なので、時間配分の観点でも、過去問を解いて手順を体で覚えておくと本番で迷いません。
基礎理論の過去問一覧(全136問)
実施回ごとに、この分野の問題を新しい回から並べています。各問に解説と選択肢ごとの解説がついています。
令和7年度 秋期4問
令和7年度 春期2問
令和6年度 秋期3問
令和6年度 春期4問
令和5年度 秋期4問
令和5年度 春期3問
令和4年度 秋期5問
令和4年度 春期4問
令和3年度 秋期4問
令和3年度 春期3問
令和2年度 10月6問
- 問1正の整数の 10 進表示の桁数 D と 2 進表示の桁数 B との関係を表す式のうち,最も適切なものはどれか。
- 問23 台の機械 A,B,C が良品を製造する確率は,それぞれ 60%,70%,80%である。機械 A,B,C が製品を一…
- 問3式 A+B×C の逆ポーランド表記法による表現として,適切なものはどれか。
- 問4a,b,c,d の 4 文字から成るメッセージを符号化してビット列にする方法として表のア〜エの 4 通りを考えた。この…
- 問6円周率 π の値を近似的に求める方法のうち,モンテカルロ法を応用したものはどれか。
- 問10メモリの誤り検出及び訂正を行う方式のうち,2 ビットの誤り検出機能と,1 ビットの誤り訂正機能をもつものはどれか。
令和元年度 秋期4問
平成31年度 春期3問
平成30年度 秋期6問
- 問1任意のオペランドに対するブール演算Aの結果とブール演算Bの結果が互いに否定の関係にあるとき,AはBの(又は,BはAの)…
- 問2コンピュータによる伝票処理システムがある。このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1の待ち行列モデル…
- 問3受験者1,000人の4教科のテスト結果は表のとおりであり,いずれの教科の得点分布も正規分布に従っていたとする。90点以…
- 問4次に示す記述は,BNFで表現されたあるプログラム言語の構文の一部である。<パラメタ指定>として,適切なものはどれか。 …
- 問5符号化方式に関する記述のうち,ハフマン方式はどれか。
- 問6葉以外の節点は全て二つの子をもち,根から葉までの深さが全て等しい木を考える。この木に関する記述のうち,適切なものはどれ…
平成30年度 春期5問
平成29年度 秋期4問
平成29年度 春期4問
平成28年度 秋期4問
平成28年度 春期4問
平成27年度 秋期5問
平成27年度 春期4問
平成26年度 秋期4問
平成26年度 春期4問
平成25年度 秋期5問
平成25年度 春期4問
平成24年度 秋期3問
平成24年度 春期5問
平成23年度 秋期4問
平成23年度 特別4問
平成22年度 秋期3問
平成22年度 春期4問
平成21年度 秋期5問
平成21年度 春期6問
- 問1通信回線を使用したデータ伝送システムに M/M/1 の待ち行列モデルを適用すると,平均回線待ち時間,平均伝送時間,回線…
- 問2(1+α)ⁿ の計算を,1+n×α で近似計算ができる条件として,適切なものはどれか。
- 問3次に示す有限オートマトンが受理する入力列はどれか。ここで,S1 は初期状態を,S3 は受理状態を表している。
- 問4長さnの文字列c1c2…cnの中に,部分文字列は全部で幾つあるかを表す式はどれか。ここで,空文字列(長さ0の文字列)と…
- 問5次の数式は,ある細菌の第n世代の個数f(n)が1世代後にどのように変化するかを表現したものである。この漸化式の解釈とし…
- 問24論理式 X=A・B+A・B+A・B と同じ結果が得られる論理回路はどれか。ここで,・は論理積,+は論理和を表し,AND…