応用情報技術者試験 午前|法務の要点と過去問
ストラテジ/法務法務は、情報処理に関わる法律・契約・標準化の知識を問う分野です。著作権法、不正競争防止法、個人情報保護法、契約の種類(請負・準委任・派遣)などが頻出で、条文の暗記よりも、典型的な事例に当てはめて判断する力が問われます。
出題傾向
応用情報技術者試験午前の過去33回分(平成21年度〜令和7年度)を集計した結果です。
99問33回の合計
3.0問1回あたりの平均
3.8%全2,640問に占める割合
4問最多の回(令和4年度 春期)
直近10回の平均は3.1問、それ以前の23回の平均は3.0問です。出題数はほぼ横ばいで、この分野は毎回安定して出題されています。
| 実施回 | この分野の出題数 |
|---|---|
| 令和7年度 秋期 | 3問 |
| 令和7年度 春期 | 3問 |
| 令和6年度 秋期 | 3問 |
| 令和6年度 春期 | 3問 |
| 令和5年度 秋期 | 3問 |
| 令和5年度 春期 | 3問 |
| 令和4年度 秋期 | 3問 |
| 令和4年度 春期 | 4問 |
| 令和3年度 秋期 | 3問 |
| 令和3年度 春期 | 3問 |
直近10回分を表示しています。
押さえておきたいテーマ
- 著作権
- 著作物を創作した時点で自動的に発生し(無方式主義)、登録などの手続きは不要です。プログラムも著作物として保護されますが、アルゴリズム、プログラム言語、規約(プロトコル)は保護の対象外です。職務上、法人の発意で作成され、法人名義で公表されるプログラムは、法人が著作者となります(職務著作)。
- 特許権・商標権など
- 特許権は発明を保護する権利で、先に出願した者に与えられます(先願主義)。意匠権は物のデザイン、商標権は商品やサービスの名称・マークを保護します。産業財産権として整理して、著作権との違いを押さえます。
- 不正競争防止法
- 他人の商品を混同させる行為や、営業秘密の不正な取得・使用などを禁止する法律です。営業秘密として保護されるには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業活動に有用であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つの要件が必要です。
- 契約の種類
- 請負契約は、仕事の完成を約束し、成果物に責任を負う契約で、発注者に指揮命令権はありません。準委任契約は、業務の遂行を約束し、完成の責任は負いません。労働者派遣は、派遣先の指揮命令のもとで働く契約です。請負のはずが実際には発注者が指揮命令している場合は、偽装請負として問題になります。
- 下請法
- 下請代金支払遅延等防止法は、親事業者が下請事業者に対して、発注書面の交付、支払期日の設定、代金の減額の禁止など、優越的な立場を利用した不当な行為をしないよう定めた法律です。ソフトウェア開発の外部委託も対象になる場合があります。
- 個人情報保護法
- 個人情報を取得するときは利用目的を示し、目的外に利用したり、本人の同意なく第三者に提供したりすることを制限します。病歴など、特に配慮が必要な情報は要配慮個人情報として、取得に本人の同意を要するなど、より厳しく扱われます。
- サイバー・ネットワーク関連の法律
- 不正アクセス禁止法は、他人のIDやパスワードを無断で使ったり、セキュリティホールを攻撃したりして、アクセス制御された環境に侵入する行為を禁止します。プロバイダ責任制限法は、ネットワーク上の権利侵害について、プロバイダの損害賠償責任の範囲と、発信者情報の開示を定める法律です。
- 製造物責任法(PL法)
- 製造物の欠陥により、生命・身体・財産に被害が生じた場合に、製造業者などが賠償責任を負うことを定めています。対象は「製造物」で、ソフトウェア単体は一般に対象外と解されますが、機器に組み込まれたソフトウェアの欠陥が問題になる場合があります。
学習のコツ
- 契約の種類(請負・準委任・派遣)は、「成果物の完成に責任を負うか」「誰が指揮命令するか」の2点で整理すると、事例問題に対応できます。
- 法律ごとの目的と、代表的な禁止行為を、それぞれ1〜2行で説明できるようにしておくと、選択肢の判断が早くなります。
- 法律は改正されることがあり、過去問の記述が現行の内容と異なる場合があります。古い問題は、出題当時の法律に基づいたものとして、考え方の確認に使いましょう。
法務の過去問一覧(全99問)
実施回ごとに、この分野の問題を新しい回から並べています。各問に解説と選択肢ごとの解説がついています。