応用情報技術者試験 午前|サービスマネジメントの要点と過去問
マネジメント/サービスマネジメントサービスマネジメントは、ITサービスを安定して提供・改善するための管理の考え方(ITIL、JIS Q 20000-1)と、運用管理・ファシリティを問う分野です。インシデント管理と問題管理の違いなど、似た用語の区別が出題の中心です。
出題傾向
応用情報技術者試験午前の過去33回分(平成21年度〜令和7年度)を集計した結果です。
96問33回の合計
2.9問1回あたりの平均
3.6%全2,640問に占める割合
4問最多の回(平成22年度 春期)
直近10回の平均は2.9問、それ以前の23回の平均は2.9問です。出題数はほぼ横ばいで、この分野は毎回安定して出題されています。
| 実施回 | この分野の出題数 |
|---|---|
| 令和7年度 秋期 | 3問 |
| 令和7年度 春期 | 3問 |
| 令和6年度 秋期 | 3問 |
| 令和6年度 春期 | 3問 |
| 令和5年度 秋期 | 3問 |
| 令和5年度 春期 | 3問 |
| 令和4年度 秋期 | 3問 |
| 令和4年度 春期 | 3問 |
| 令和3年度 秋期 | 3問 |
| 令和3年度 春期 | 2問 |
直近10回分を表示しています。
押さえておきたいテーマ
- ITILとサービスマネジメントシステム
- ITILは、ITサービスの管理のベストプラクティス(成功事例)をまとめた書籍群で、ISO/IEC 20000(JIS Q 20000-1)は、サービスマネジメントシステム(SMS)の要求事項を定めた規格です。ITILは指針、JIS Q 20000-1は認証の基準、という位置づけの違いを押さえます。
- インシデント管理と問題管理
- インシデント管理は、サービスの中断や品質低下から、できるだけ早くサービスを回復することが目的です。問題管理は、インシデントの根本原因を調べて恒久的な対策を立て、再発を防ぐことが目的です。応急処置と根本対策という関係で区別します。
- 変更管理・リリース管理・構成管理
- 変更管理は、変更の影響やリスクを評価して承認し、無秩序な変更による障害を防ぎます。リリース及び展開管理は、変更を本番環境に安全に展開する活動です。構成管理は、構成品目(ハードウェア、ソフトウェア、文書など)とその関係を構成管理データベース(CMDB)で管理します。
- サービスレベル管理
- 提供者と利用者の間で、サービスの内容と水準を合意するのがSLA(サービスレベルアグリーメント)です。稼働率や応答時間、障害復旧時間などをサービスレベルの目標として定め、達成状況を測定・報告して見直します。
- 可用性管理とキャパシティ管理
- 可用性管理は、サービスを必要なときに使えるようにするための管理で、稼働率の目標と実績を確認します。キャパシティ管理は、将来の需要を予測して、資源の容量を過不足なく確保する管理です。
- サービスデスク
- 利用者からの問合せや障害報告を受け付ける単一の窓口です。インシデントを記録し、対応を管理します。
- バックアップと運用管理
- フルバックアップは全データを取得する方法です。差分バックアップは直前のフルバックアップからの変更分、増分バックアップは直前のバックアップ(種類を問わず)からの変更分を取得します。復元には、差分ならフルと最新の差分、増分ならフルとその後の全ての増分が必要で、取得時間と復元時間のトレードオフが問われます。
- ファシリティマネジメント
- データセンタなどの設備を良好な状態に保つ活動です。停電対策のUPS(無停電電源装置)や非常用発電機、免震・耐震、入退室管理、空調などが対象となります。
学習のコツ
- インシデント管理・問題管理・変更管理のように名前が似た管理プロセスは、「何を目的にして、どのタイミングで行うか」を一言で言えるようにしておくと、選択肢の見分けがつきます。
- バックアップの復元手順の問題は、フル・差分・増分ごとに、復旧時に必要なバックアップの組合せを図に書いて整理すると確実です。
- ITサービスマネージャ試験の午前Ⅱとも共通する内容が多く、上位試験に進む場合の基礎になります。
サービスマネジメントの過去問一覧(全96問)
実施回ごとに、この分野の問題を新しい回から並べています。各問に解説と選択肢ごとの解説がついています。