応用情報技術者試験 午前|システム戦略の要点と過去問
ストラテジ/システム戦略システム戦略は、経営戦略と整合した情報システムの全体像を描き、IT投資を評価する考え方を問う分野です。エンタープライズアーキテクチャ(EA)、業務プロセスの改善、ITガバナンス、投資効果の評価などが代表的な出題テーマです。
出題傾向
応用情報技術者試験午前の過去33回分(平成21年度〜令和7年度)を集計した結果です。
100問33回の合計
3.0問1回あたりの平均
3.8%全2,640問に占める割合
5問最多の回(平成21年度 秋期)
直近10回の平均は3.0問、それ以前の23回の平均は3.0問です。出題数はほぼ横ばいで、この分野は毎回安定して出題されています。
| 実施回 | この分野の出題数 |
|---|---|
| 令和7年度 秋期 | 3問 |
| 令和7年度 春期 | 3問 |
| 令和6年度 秋期 | 4問 |
| 令和6年度 春期 | 3問 |
| 令和5年度 秋期 | 4問 |
| 令和5年度 春期 | 1問 |
| 令和4年度 秋期 | 2問 |
| 令和4年度 春期 | 4問 |
| 令和3年度 秋期 | 4問 |
| 令和3年度 春期 | 2問 |
直近10回分を表示しています。
押さえておきたいテーマ
- エンタープライズアーキテクチャ(EA)
- 組織全体の業務とシステムを体系的に整理し、全体最適の観点で設計・改善する手法です。ビジネスアーキテクチャ(業務)、データアーキテクチャ(データ)、アプリケーションアーキテクチャ(システム機能)、テクノロジアーキテクチャ(技術基盤)の4つの体系で整理し、現状と目標を比べて改善計画を立てます。
- 業務プロセスの改善(BPR・BPM)
- BPRは、既存の業務のやり方にとらわれず、業務プロセスを根本から見直して再設計することです。BPMは、業務プロセスを継続的に可視化・分析・改善していく管理手法です。
- SOAとシステム連携
- SOAは、業務機能を独立した部品(サービス)として作り、それらを組み合わせてシステムを構成する設計の考え方です。変更に柔軟に対応でき、既存の資産を再利用しやすい利点があります。ERP・CRM・SCMなどの業務パッケージとあわせて、統合的な情報システムの姿を押さえます。
- ITガバナンス
- 経営者がITの利用を評価し、指示し、モニタして、ITを組織の目的に沿って活用する仕組みです。ISO/IEC 38500では、評価・指示・モニタの3つの活動が示されており、ITに関する意思決定の責任が経営者にあることが特徴です。
- IT投資の評価
- 投資額に対して、どれだけの効果が得られるかを評価します。ROI(投資利益率)は「利益÷投資額」、投資回収期間(ペイバック)は投資額を回収できるまでの期間です。将来の効果を現在の価値に換算して評価するNPV(正味現在価値)の考え方も出題されます。
- 情報システム戦略の立案
- 経営戦略やビジネスの目標を実現するために、情報システムの全体像(システム化の対象・優先順位・体制・スケジュール)を示す計画を立てます。業務やデータの標準化、全体最適の視点が重視されます。
- クラウド・アウトソーシングの活用
- 自社で持つか、外部のサービスを使うかは戦略上の重要な判断です。クラウドサービスの利用や、業務全体を外部に委託するBPOなどを、コスト・柔軟性・統制の観点から比較します。
学習のコツ
- EAは4つのアーキテクチャの名前と、それぞれが何を扱うかをセットで覚えるのが基本です。他の用語との関係で問われるので、目的(全体最適)から理解します。
- IT投資評価の計算問題は、ROI・回収期間など、式の定義を正確に覚えておけば確実に解けます。単位(万円・百万円)にも注意します。
- IT戦略は、ITストラテジスト試験に直結する分野です。用語のレベルで理解しておくと、経営戦略や企画の分野の理解も深まります。
システム戦略の過去問一覧(全100問)
実施回ごとに、この分野の問題を新しい回から並べています。各問に解説と選択肢ごとの解説がついています。